スパコン補助金不正受給事件の深すぎる闇 森友・加計に続く「第3の問題」になるかも
理由はペジー社の顧問に元TBSワシントン支局長の山口敬之氏が就任していたからだ。
山口氏は安倍晋三首相や麻生太郎財務相兼副総理と近く、安倍首相に肉薄した『総理』(幻冬舎)の著書がある。TBSを退社した後にペジー社の顧問となり、官邸のすぐそばの「ザ・キャピトルレジデンス東急」に事務所を構えている。山口氏の名刺に刷られた住所は、永田町2−10−3ー●●●●となっており、同レジデンスの部屋番号だ。
スパやプールが完備し、コンシェルジェやハウスキーピング、ルームサービスなど一流ホテル並みのサービスを受けられる同レジデンスの賃料は月額約100万〜約200万円だが、それを負担していたのが逮捕された齊藤氏だった。なお議員秘書を長年務めた後に企業顧問になる秘書はいるが、1社あたりの顧問料は非常勤でせいぜい毎月10万円前後。これを考えても、高級事務所の提供は破格の待遇といえるだろう。
さらに同社が受けていた補助金が経済産業省傘下のNEDOから出ていることも、注目される原因だ。というのも、安倍首相の政務秘書官である今井尚哉氏が同省出身であることなど、官邸は“経産省色が強い”と言われているからだ。
もしこの事件に官邸の影響があるのではないか、と疑われることになると、森友学園問題や加計学園問題に続く「官僚による官邸への忖度」問題として発展していく可能性がある。
実際、その萌芽が見てとれる。野党がこの問題に注目しているのだ。
野党がこの問題に着目
希望の党は6日午前10時から「国対政調合同ヒアリング」を開き、経済産業省、文部科学省と内閣府の担当者を呼んで事情を聞いた。狙いは補助金の不正受給だけではない。官邸と近く、ペジー社の顧問を務める山口氏が補助金の受給に何らかの関与をしていたかどうかを探ることだ。
山口氏が経済産業省を訪れていなかったかどうか、その記録の提出を含め、希望の党側から経産省に出された宿題は多い。また7日午前には立憲民主党も、この件についてヒアリングを行う。
森友学園問題に始まった2017年の政治だが、その影響は年明けまで続きそうだ。
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