トヨタ「SAI」が売れなかった理由

HV専用の“小さな高級車”、挽回狙い大変身

「SAI」新車発表会には、女優の真木よう子さん(右)が登場。トークショーで盛り上げた

29日、トヨタは東京・品川インターシティホールを貸し切り、新型「SAI」の新車発表会を大々的に開催した。新しいテレビCMのイメージキャラクターに起用した、女優の真木よう子さんも登場。マイナーチェンジながら華々しいイベントを開催するトヨタの気合いが感じられた。

従来モデルはデザインが不評

従来のSAIは、トヨタが「小さな高級車」(加藤主査)と位置づけて投入したが、販売が振るわなかった。背景には、デザイン面での評価が芳しくなかったことや、トヨタ内での競合を招くカテゴリーと価格の設定により、せっかくのHV専用車という利点を生かせなかったこと、そもそも日本市場において、「セダン離れ」が進んでいることなどの要因があった。

「テレビや家具のようにシンプルにすることで高級感を出そうとしたが、自動車にはその時代は来なかった」。加藤主査は従来モデルのデザインについて、こう振り返る。トヨタの商品サイト(toyota.jp/)に掲載されていた従来モデルのページに、「この車は派手でなく、サイズも普通で目立った特徴は一見ありませんが、乗ってみると間違いなく満足できる車ではないでしょうか(神奈川県 49歳 男性)」というオーナーの声が紹介されているように、外観で強い迫力を持った車ではなかった。

プリウスやアクアのように、せっかくのHV専用車という立ち位置を、うまく生かせてこなかった側面もある。SAIの従来モデルの車両本体価格は338万~437万円。これはHV専用となったトヨタの上級セダン「カムリ」の304万~382万円とかなりバッティングする。また、これだけの金額を出せるユーザーなら、5ドアハッチバックタイプだが、“小さな高級車”という観点で、トヨタの高級車ブランド「レクサス」のエントリーモデルでHV専用の「CT200h」(356万~433万円)も十分、検討対象になる。

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