法廷会計学VS粉飾決算 細野祐二著
粉飾決算は、法律上は有価証券報告書虚偽記載罪として刑事罰を受ける組織犯罪だ。しかし、財務諸表の中身は適正性、重要性にかなえばある程度選択の余地がある。日興コーディアルグループ、NOVA、ライブドアなどでの摘発でも、その複雑な事情が浮き彫りになっている。
著者は自身が粉飾共犯容疑で最高裁に上告中の公認会計士。その起訴を契機に粉飾決算の“研究”を始め、その成果を会員制リポートで公表し、本書はそこで取り上げた事例を時系列で再編集したもの。中でも、日興コーディアルグループについての「疑惑の特別目的会社」は同グループ、さらには中央青山監査法人が激震に見舞われるきっかけになった。
日航、NOVA、ライブドアを含むその公表資料による分析は詳細を極め、「読み取り力」に鬼気迫るものがある。英米でいうフォレンジック(法廷会計学)と呼ばれる専門知識の必要性が強く訴えられている。
日経BP社 2310円
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