石破の乱「成算なき孤独の闘い」が向かう先 「安倍改憲」に反旗だが党内は"石破包囲網"

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石破氏がクレームをつけたのは、自民党が野党時代にまとめた党改憲草案とは異なり、首相が戦力不保持の9条2項を残しながら自衛隊を明文化するとした点だ。石破氏は「与党になったら丸めますというのは誠実な態度ではない」「結局は矛盾の固定化につながり、真摯な立法姿勢とは思えない」などと手厳しく批判している。

その一方で、党内では「安倍改憲」実現への段取りも公然化している。最短ルートとして考えられているのは次のようなものだ。2017年末の新改憲草案の取りまとめを受け、2018年の通常国会における各党協議で自民、公明と維新の3党を中心に9条見直しも含めた改憲条文を絞り込み、会期末までに発議。2018年9月の総裁選での首相3選を受けて、2019年10月に予定されている消費税率10%への引き上げの再々先送りを決めた上で、2018年秋の臨時国会冒頭で解散・総選挙を断行し、改憲国民投票も同時実施するという案だ。

安倍首相の手法に「耐えられないほどイヤ」

これについて石破氏は朝日新聞のインタビューで「国民の歓心を買うようなテーマとセットで9条改正を問うなんて、耐えられないほどイヤだ」と非難した。"軍事オタク"ぶりから永田町では名前をもじって「ゲル長官」と呼ばれる石破氏だけに、自衛隊明文化を政局の駆け引き材料にすることへの不満を抑えられないわけだ。

石破氏は2018年9月の総裁選出馬を目指しており、公式の場では「自分たちが選んだ総裁だから、ああだこうだというのはフェアではない」と語るが、私的な会合などでは首相の政権運営への不満を隠さない。ただ、石破氏が率いる水月会(石破派)は現在19人で総裁選出馬に必要な推薦人(20人)には足りない。今後、首相サイドが党内を厳しく締め付ければ、推薦人確保に黄信号が灯りかねない党内状況でもある。

石破氏は過去2回、自民党総裁選に出馬している。最初は泡沫候補扱いだったが、自民党の政権奪還直前の2012年9月の総裁選では、地方票も含めた第1回投票で圧倒的な地方組織の支持により、2位の首相に58票もの差をつけて1位となった。だが過半数には足りず、国会議員による決選投票で首相に逆転され、19票差で大魚を逸した。

その結果、自民党の政権奪還後は党ナンバー2の幹事長として約2年間、党運営を仕切ったが、2014年9月の党・内閣改造人事で幹事長から外れ、新設された地方創生相に転じた。その後は2016年8月まで地方創生相を務め、その間、2015年9月の自民党総裁選では「閣僚は首相を支えるのが責務」として出馬を見送ったが、同時に石破派「水月会」を旗揚げし、ポスト安倍の1番手であることをアピールした。

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