2016年度は円高&株高、アベノミクス相場で初

結局は日銀の「ETF買い」が相場を下支え

 3月31日、2016年度の日本株は、対ドルで円高が進んだにもかかわらず上昇した。年度ベースで円高・株高となったのは2011年度以来、5年ぶり。写真は都内の日銀本店前で昨年3月撮影(2017年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 31日 ロイター] - 2016年度の日本株は、対ドルで円高が進んだにもかかわらず上昇した。年度ベースで円高・株高となったのは2011年度以来、5年ぶり。12年11月以降のいわゆる「アベノミクス相場」では初めてとなる。日銀によるETF(上場投資信託)買いが、需給面で大きな影響をもたらしている。

日経平均<.N225>は前年度末(16年3月31日)終値比で、2150円59銭(12.8%)の上昇となった。一方、3月30日までのドル/円<JPY=>の日中終値の平均値は108.34円。前年度の120.04円と比べ、11円超の円高となっている。

12─14年度はいずれも円安・株高の組み合わせだったが、15年度は円安・株安。そして16年度は円高・株高となった。

期間の取り方によって、その関係性は変わるが、アベノミクス相場の初期段階におけるドル/円と日本株の関係とは異なってきているようだ。

その大きな要因として指摘されているのが、日銀のETF買いだ。

日銀による16年度のETF買い入れ額は、5兆5858億円(3月30日時点で設備・人材投資型含む)。17年1月以降では、海外投資家が1兆9978億円売り越した一方、日銀のETF買いは1兆6339億円。海外勢の売り/日銀の買いという構図になっている。

日銀が買いに動くのは、前場の株価が安いときにほぼ限られる。このため株価を押し上げるという買いではない。しかし、売買ボリュームが減少する中で、存在感は一段と高まっている。16年度の東証1部の売買代金(ToSTNeT除く)は約543兆円となり、前年度比で約14%減だ。

「デフレマインドを払しょくするためにも、日銀はETF買いを続けざるを得ない」(東海東京調査センター・マーケットアナリスト、仙石誠氏)との見方もあり、来年度以降も相場の下支え要因として機能するとの期待感が根強い。

ただ、セゾン投信・運用部長ポートフォリオマネージャー、瀬下哲雄氏は「安定的に買う主体は株安時のクッションの役割を果たすが、日本株を割高にしている面は否めない」と指摘。「買おうとしている投資家が、買えない状況も生み出している」と話している。

 

(長田善行 編集:伊賀大記)

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