三越伊勢丹・杉江新社長「一体感がなかった」 大西現社長を「社内との対話不足」と批評

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 3月13日、三越伊勢丹ホールディングスの杉江俊彦次期社長は会見で、大西洋社長が昨年秋に公表した「構造改革」の方針は引き継ぐと表明した。写真は三越、都内で2015年6月撮影(2017年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 13日 ロイター] - 三越伊勢丹ホールディングス<3099.T>の杉江俊彦次期社長(現:取締役専務執行役員)は13日の会見で、大西洋社長が昨年秋に公表した「構造改革」の方針は引き継ぐと表明した。

ただ、成長戦略よりも構造改革を優先させるとしたほか、大西社長の現場との対話不足を指摘、改善する考えを示した。

大西洋社長は3月末で退任、4月1日付で杉江氏が社長に就任する。事業会社、三越伊勢丹の社長も兼務する。

杉江次期社長は、大西社長が進めてきた戦略と「基本的な方向性は全く変わらない」としながらも「やり方や優先順位は変えていきたい」と述べた。構造改革と成長事業を進めるに当たっては、大西社長が成長事業を優先していたのに対し、杉江次期社長は、2017―2018年度で構造改革を進め、2019―2020年度で成長戦略を進める方針。

また、大西社長時には「2つの反省点がある」とも述べ、社内での対話不足と事業の選択と集中を挙げた。社内での対話不足については「大西社長はアグレッシブでパワフル。社外に向けて発信する一方で、社内での対話は少し不足していた。従業員の一体感含めて、社内での対話の時間を増やしたい」と述べた。

縮小が続く百貨店市場。杉江次期社長は「百貨店事業だけでは大きな成長は望めない」と指摘。百貨店以外の事業の柱としては、保有する不動産を活用する「不動産事業」を挙げた。

苦戦する地方店は「何らかの手を打たなければならない」としながらも「グループ経営の利益の足を引っ張る店舗の整理は終わった。今、閉める議論をしている店はない」と述べた。

(清水律子)

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