病院で検査をしてもらえば良いじゃないか?と思われる方はいらっしゃると思いますが、検査もその必要性を丁寧に吟味して行われる時代に入っています。
Choosing wisely(賢い選択)というキャンペーンもはじまり、世界的にも過剰な医療がもたらす弊害、つまり過剰検査によって医療費が増大したり検査・治療に伴う合併症のリスクが生まれることへの警鐘を鳴らす時代に入っています。医師が別の病気である可能性を考える状況にあると考えるかどうかによります。
医師とて未来を100%予測することはできませんので、大切なことはどこまで検査をするか? 重篤なものはなさそうとして経過を見る方針でよいと納得できるか、ということです。そして、そこに医師の説明がほしい場合は遠慮せずに病院を受診するとよいでしょう。
しかし、仮に病院でどんな検査をしても100%大丈夫というものは実はほとんどありません。よって、セルフケアの学びと経験を深め、徐々に理解が深まることによる変化は、これからの日本においてはとても大きいといえるかもしれません。
では、どのようにしたらよいか?ですが、以下の2つの切り口で考えるといいでしょう。
1. その疾患と考えていいか、その症状がそろっているかの確認
2. 病院を受診したほうがよいサイン(レッドフラッグサイン)がないことの確認
先ほども書きましたとおり、この2つのチェックをしても100%大丈夫という言い方はできませんが、医療の限界も踏まえ、経過を観る方針でよいかを判断してください。
「風邪」はどのように判断するか?
具体的に、今回はかかる方が多い風邪に関して、この2つの側面から考えてみます。
1.風邪の3症状チェック!
風邪(ウイルス性上気道感染症)かどうかは、前回記事でもご紹介したとおり、医療機関を受診しても風邪を引き起こすウイルスはほぼ特定できず、症状から風邪と総合判断するしかありません。ではどのように判断するか?筆者が考えた以下の手順でやると便利です。
1)「咳」「鼻水」「喉の痛み」の3つの症状に注目し、2)この3つが「数日の経過」で、3)「同じくらいの程度」であるか、をチェックするのです。
これらの症状は、初日では3つそろわないことも多いと思います。そこで3つそろっていなくても2つあり、とくに鼻水があれば風邪の可能性が高いでしょう。
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