1ドル95円以上の円高は、ドル買いの好機 みずほコーポレート銀行の唐鎌大輔氏に聞く

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「円安」と「株高」の出自の違い

しかし、いつまでも株価が下がれば円高が進むというわけではない。これは「株高」と「円安」の出自が違うためだ。

これまでの株高は明らかに、201211月に潮目が変わったもので、「アベノミクスでインフレ率上昇」の掛け声を信じた結果である。しかし、円安はすでに2012年の2月以降、徐々に進んできた基調であり、この背景には日本が貿易赤字国になったことに代表される基礎的な需給環境の激変と欧米経済の改善があるからだ。

したがって、投機のポジションが巻き戻された後に、さらなるネットでの円買いが進んでいくことは考えにくい。購買力平価から見たドル円の水準は1ドル=97円前後である。

週明け以降に1ドル=95円以上に円高が進めば、投機のオーバーシュートによるもので、ドルを押し目買いする好機だと見る。()

大崎 明子 東洋経済 編集委員

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おおさき あきこ / Akiko Osaki

早稲田大学政治経済学部卒。1985年東洋経済新報社入社。機械、精密機器業界などを担当後、関西支社でバブルのピークと崩壊に遇い不動産市場を取材。その後、『週刊東洋経済』編集部、『オール投資』編集部、証券・保険・銀行業界の担当を経て『金融ビジネス』編集長。一橋大学大学院国際企業戦略研究科(経営法務)修士。現在は、金融市場全般と地方銀行をウォッチする一方、マクロ経済を担当。

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