最新!駅別「マンション資産価値」ランキング 首都圏と近畿圏の10年間平均データで分析

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ランキング下位30駅の傾向として、「東京都下や周辺3県などの郊外エリアに位置しており、都心部まで電車を利用する場合には相応の時間を要したり乗り換えが必要であったりと、あまり交通の便が良い立地であるとは言いがたい」と東京カンテイは指摘している。マンションPBRの下位駅は新築価格が2000~3000万円台が中心で、比較的手が届きやすいが、中古価格が大きく下落する傾向があることには留意する必要がある。

マンションPBRの下位駅には新築価格が高額な駅も見られる。5位の京王線・上北沢のマンションPBRは0.65。新築価格は6070万円だったが、中古価格は3948万円だった。12位の横浜高速鉄道みなとみらい線・馬車道のマンションPBRは0.68。新築価格は5582万円だったが、中古価格は3830万円だった。「中古価格は隣接する駅とさほど変わらない水準だが、新築分譲時に価値以上の値付けをされたことで結果的に資産倍率を大きく低下させてしまっている」(東京カンテイ)。将来の買い替えを前提に新築マンションを購入する際には、新築価格の妥当性をしっかりと検証する必要がありそうだ。

東京カンテイでは、「新築価格6000万円以上」、「4000万円未満」の価格帯別でもマンションPBRを集計している。とくに「新築価格が4000万円未満でマンションPBRが良好な駅」は、新築マンションが手ごろな価格で販売されている割に、中古価格が比較的高めだ。上位に出てくるJR南武線・尻手、京急本線・生麦、JR横浜線・大口などはいずれも川崎、横浜といったターミナル駅に近いという特徴がある。

近畿圏の傾向は首都圏と変わらず

続いて、近畿圏のマンションPBRを見てみよう。2016年の近畿圏平均マンションPBRは0.89で、首都圏平均とあまり変わらない。マンションPBRが最も良好だった駅はJR神戸線・元町の1.44。新築価格が4166万円に対して中古価格が6031万円だった。

阪急京都線の桂、烏丸が2位、3位にランクインしている。「近畿圏でも都市中心部への交通利便性の良し悪しがマンションPBRを左右する傾向がはっきりしており、PBRが1以上となる駅は大阪市、神戸市、京都市の各中心部に集中している」と、東京カンテイは分析している。

交通アクセスが物件選びの重要なポイントとなるのは、首都圏も近畿圏も変わらないようだ。

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