小田急、シモキタ地下化で“ゴール”見える 四半世紀かけた複々線化に道筋つく

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写真は小田急経堂―千歳船橋間

小田急では、最終的には東北沢―和泉多摩川間の複々線化を進めており、今回作られた地下線路は急行線用のもの。世田谷代田駅ではその急行線に仮設ホームを設置し、当面は運用される。

緩行線(各駅停車)用の線路の建設はこれから始まり、同区間の複々線化は、2017年度までの完成を予定している。完成すれば、向ヶ丘遊園―新宿間の所要時間がラッシュ時・急行で21分と、現在の25分から短縮されることになり、併せて混雑の緩和も期待される。

複々線化完成は17年度、全事業完了は18年度

そもそも小田急の複々線化事業がスタートしたのは、今から四半世紀近くさかのぼる1989年のこと。まずは、世田谷区の喜多見駅と狛江市の和泉多摩川駅間(2.4km)の複々線化工事が着工、東京都の連続立体交差事業と一体となって高架化工事(成城学園前駅は地下化)が進められた。

94年からは、世田谷代田―喜多見駅間の工事が始まった。97年に喜多見―和泉多摩川間、04年に世田谷代田―喜多見間(6.4km)の複々線化工事が完成。着工前の向ヶ丘遊園―新宿間(ラッシュ時)の所要時間は従来の33分から8分短縮している。

ただ、工事は平坦な道のりではなかった。途中、高架化に反対する住民から事業認可の取り消しを求める訴訟が提起された。最終的に最高裁で事業認可を認める判決が出たものの、1審で認可取り消しの判決が出たことなどが、工事の進捗にも影響を及ぼした。

今回の東北沢―世田谷代田間も当初の高架案から地下化に変更。道路工事や駅舎工事などを含めた全事業の完了も当初13年度を予定していたが、18年度に延長されている。

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