カネカの付け毛、アフリカで大ヒットのなぜ 女性のおしゃれ心つかみ、最大の稼ぎ頭に
成長が続いてきたアフリカ経済だが、実は、足元の経済環境は決してよくない。ここ1、2年の資源市況急落と通貨安によって、ナイジェリアや南アフリカなど主要国の景気が悪化し始めているからだ。にもかかわらず、カネカロンのアフリカ輸出は好調をキープしている。
「資源バブルがはじけ、付け毛の消費にも大きな影響が出ると覚悟したが、今のところは需要が落ちていない。現地の若い女性たちにとって、付け毛が欠かせないアイテムになっているからだと思う」(天知取締役)。
景気後退で短期的な調整はあるとしても、アフリカが成長マーケットであることは間違いない。なにしろ、サブサハラ諸国の人口(2014年時点で9.2億人)は増え続け、国連推計では、2030年代前半に14億人を突破する見通しだ。しかも、女性が年々おしゃれになっているため、アフリカの付け毛市場は今後も長期にわたる成長が見込まれる。
現地でテレビCM開始、専用の新工場も稼働
この成長市場で圧倒的なシェアを維持し続けるため、カネカは現地でのプロモーション活動を積極化している。テレビやラジオのCMを開始したほか、「ミス・カネカロン」コンテストも開催。昨年末の第1回大会はナイジェリアで行った予選会に3000人以上の応募が集まるなど、予想以上の大きな反響があった。今年はガーナでも予選会を開くなど、昨年以上の大きな大会にする。
また、初のアフリカ拠点となる駐在員事務所をガーナに今春開設した。これまでは、その都度、社員が日本から出張していたが、今後は現地に日本人2名が常駐する。
天知氏によると、「アフリカにも大型商業施設ができるなど、流通チャネルが徐々に変わり始めている。将来的にはeコマースも普及するだろう。社員を常駐させて、そうした変化にどう対応すべきか戦略を練りたい」という。
旺盛な需要に対応するため、生産体制の強化にも踏み切った。これまで供給を担ってきた兵庫の高砂工業所はすでにフル操業状態にあるため、今年7月、マレーシアでも生産を開始。マレーシア新工場で生産するカネカロンは、その全量をアフリカに出荷する。
日本からはるかかなたのアフリカ大陸で、おしゃれな女性たちのハートをがっちりつかんだカネカの付け毛。同社にとってもまた、アフリカは会社の成長を左右する極めて重要な市場となっている。
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