ルネサス、1万人超削減でもなお苦境 富士通・パナ連合への参加は条件次第

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7500人の希望退職に続いて、3000人の追加リストラと、合計1万人超にも及ぶ人員削減を行うルネサスエレクトロニクス。それでも、簡単に苦境から脱しそうにない。

ルネサスは2月8日、今2013年3月期の業績見通しを下方修正した。従来は営業損益で210億円の黒字を見込んでいたが、一転、260億円の赤字(前12年3月期は567億円の赤字)に見通しを引き下げた。最終損益も1760億円の赤字(従来計画は1500億円の赤字)を見込み、赤字幅がさらに膨らむ公算が大きくなった。

 需要減退が7500人リストラ効果を打ち消す

誤算だったのは、自動車や産業機器向けのマイコンや半導体の需要減速だ。会社側では市況回復を見込んでいたが、中国の景気減速の影響などを受けて顧客先の需要が後退。さらに大型案件である民生用の電子機器向け半導体では、1~3月にかけて生産を絞ったことが響いた。ルネサスは任天堂などを顧客に抱えている。

全体的な需要減速を受けて、売上高は会社側の従来計画(昨年12月時点)に比べて500億円減額となる7770億円(前期比12.8%減)に落ち込む。

ルネサスは昨年10月末付けで7511人の希望退職を実施しており、年間540億円の費用削減効果を見込んでいる。今下期に改善効果が出てくるものの、その効果が打ち消される形で、2期連続の営業赤字に沈む見通しとなった。

1月17日には、3000人以上の追加リストラを発表した(退職予定日は9月30日)。さらに後工程拠点の函館工場、福井工場、熊本工場の譲渡を決めている。来14年3月期の人件費は、11年3月比で4割削減まで縮小する見通しだ。来14年3月期こそは、これらのリストラ効果によって、黒字浮上が期待できそうだ。

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