トランプ氏の自伝、実は偽りだらけだった 発売29年目にしてゴーストライターが告白

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「トランプが注目を集めるような書き方をし、実際よりも魅力的な人物に描いてしまったことを、私は深く後悔している」と、シュウォルツは言う。「もしトランプが大統領選に勝って、核兵器発射の暗号を手に入れたら、文明が終焉を迎える可能性は大いにあると私は心底思っている」。

長い月日をトランプとともに過ごした後、シュウォルツは妻に「トランプは生きるブラックホールだ」と、よく話した。インタビューをする相手としては骨の折れる人物で、トランプは少し深い質問になると対処できず、青年時代の記憶はほとんどなかったという。また、表面上は協力し合って本を作っていたにもかかわらず、シュウォルツが突っ込んだ質問をすると落ち着きがなくなり、怒り、ときには中断してしまうこともあった。シュウォルツによると、トランプは集中力をまったく持続できなかったという。

トランプのそうした集中力のなさについてシュウォルツは、「危機が起こった際に、彼がホワイトハウスのシチュエーション・ルームで報告を受ける必要があるとしたら、長時間にわたり集中力を維持することは不可能だと思う」と語った。

ただ注目を集めたいだけ

トランプは、「なぜ大統領に立候補したのか」とよく質問され、そのたびに「アメリカを偉大な国にしたいからだ」と答える。シュウォルツはそれが本当の答えだとは思わない。トランプには注目を集めたいという欲求があり、その流れの一環なのだとシュウォルツは考えている。若かった頃のトランプはどんな形でも注目を浴びると喜び、タブロイド紙にも記事を書かせた。テレビのリアリティ番組「アプレンティス」のホストになると、メディアのスターとしての地位を固めた。そして、次のステップが大統領への立候補なのだとシュウォルツは言う。

「もし全世界の皇帝に立候補できるなら、彼は立候補するだろう」。

自伝の執筆期間中、トランプはつねに誇張を行ったり、真っ赤なウソをついたりしたという。

次ページ天性のウソつき
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事