トランプ氏の自伝、実は偽りだらけだった 発売29年目にしてゴーストライターが告白

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「彼は天性のウソつきだ」と、シュウォルツはニューヨーカー誌で語った。「自分の発言が真実であると、あるいは、まあまあ真実であると、少なくとも真実であるはずだと思い込む能力を、トランプは持っていた。その能力では誰よりも優れていた」。

『トランプ自伝』の中で使われた、トランプ流の罪のないウソを意味する「誠実な誇張(truthful hyperbole)」というフレーズは、シュウォルツが考えたものだ。トランプはその言葉が大好きだったという。

手柄はすべて自分のものに

有名人が本の執筆でゴーストライターを使って、かなりの部分を書いてもらうことは多い。だが、トランプは執筆に関して本当に何もしなかったのに、実績はすべて自分のものにしたとシュウォルツは言う。シュウォルツが1年以上をかけてまとめた原稿を読んだ後、トランプは公には批判したくないと考えた何人かの名前を削るよう、赤ペンでわずかな走り書きをして原稿をシュウォルツに戻した。

トランプは同書を自分で書いたと主張するが、『トランプ自伝』を出版したランダムハウスの元トップであるハワード・カミンスキーは、それには同意しかねると言う。

「トランプは葉書1枚すら書かなかった」と、カミンスキーはニューヨーカー誌に語った。

本の執筆にほとんど関与しなかったという非難に対して、トランプは反論し、ニューヨーカー誌に次のように語った。「私があの本を書いた。あれは私の本だ」。

シュウォルツによると、トランプはシュウォルツに電話をかけて、彼が非常に不誠実でがっかりしたと話し、電話を切る前には、「もう二度と会うものか」と言ったという。

(執筆:Alan Rappeport記者、翻訳:東方雅美)

© 2016 New York Times News Service

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