年末年始も活況、東京ドームは業績上振れ 嵐、安室…人気公演目白押し

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今期のドーム球場はコンサート向け需要も順調で、第3四半期までにAKB48初公演や嵐、SMAPのコンサートなどを開催。年末年始にかけても、韓国のBIGBANG(12月5日)、嵐(12月13~16日)、安室奈美恵(12月20~21日)、再結成されたプリンセスプリンセス(12月23~24日)、KinKi Kids(12月30日~13年1月1日)などが目白押し。過去の例から見て、嵐のコンサートでは物販収入のかさ上げも期待できそうだ。

会社側はホテルや遊園地など、景気動向や天候次第で収益のぶれやすい事業があるため、現時点では期初計画をひとまず据え置いたとしている。ただ、第4四半期もすでにその半分が終わっており、足元までの状況では大きなマイナス要素が見当たらない。

東洋経済では前期の第4四半期(11年11月~12年1月期)並みの売り上げ・営業利益の計上は可能と判断。今期の見通しについては、「会社四季報」新春号予想から売り上げで3億円、営業利益と経常利益で1億円をさらに上積みし、売上高798億円、営業利益97億円、経常利益70億円を予想する。純利益については、現在進めている本社ビルなどの耐震工事に絡んで、今期か来期に減損損失が発生する可能性もあるため、ひとまず、「会社四季報」新春号予想の52億円を据え置く。

来期は人気アトラクション再開など期待も

なお、来14年1月期は巨人軍が今期ほど活躍するかどうかは今のところ不透明。現時点ではポストシーズンゲームが上乗せされないとの前提から、ドーム球場関連の収入については減収になってもおかしくはない。

一方、遊園地の人気アトラクション「サンダードルフィン」(ジェットコースター、運休中)が来期中にも運行再開となる可能性があり、この場合、低迷している遊園地部門のテコ入れが期待できる。

また、東京ドームシティ内の商業施設である「ラクーア」の開業10周年に当たることから、会社側は各種イベントなどの集客策を繰り出すもようだ。こうしたことから、来期の営業利益は今期並みの高水準に達するものと東洋経済では見ている。

(撮影:今 祥雄)

大滝 俊一 東洋経済 記者

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おおたき しゅんいち / Shunichi Otaki

ここ数年はレジャー、スポーツ、紙パルプ、食品、新興市場銘柄などを担当。長野県長野高校、慶応大学法学部卒業。1987年東洋経済新報社入社。リーマンショック時に『株価四季報』編集長、東日本大震災時に『週刊東洋経済』編集長を務め、新「東洋経済オンライン」発足時は企業記事の編集・配信に従事。2017年4月に総務局へ異動し、四半世紀ぶりに記者・編集者としての仕事から解放された

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