ジャスパー・チャン アマゾンジャパン社長--アマゾンの市場内部に競争環境をつくりたい《アマゾンの正体》

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 日本では、第1、第2の顧客に対しては、いまだデイワンですが日々、サービスの強化に努めています。一方、開発者向けの事業は、まだ米国でも開始したばかりです。現段階では、日本で何を行うかについて、アナウンスはできません。ただ、アマゾンは日本を最も重要な市場の一つと考えています。

--重要な市場なのであれば、早めにスタートするべきでは?

ことさら世界展開を急いでいるわけではありません。すでにEC2はグローバルサービスになっており、日本からの利用者もたくさんおります。

ただ、日本語のサービスについてのニーズがあることはよく存じています。申し上げられるのは、私たちは、すべて顧客のニーズからスタートする、ということです。

--2番目の顧客である販売者について伺います。アマゾンが取引の仲介をして販売者が配送するマーケットプレイスサービスは、品質水準の維持が難しくないですか。

販売者とアマゾンの強いパートナーシップが重要です。購入者に対してどちらがベストオファーを出しているか、ということで販売者同士が競合しています。同一商品の場合には、アマゾンも競合しているのです。

アマゾンは、アマゾンの内部に健全な競争環境をつくろうとしている。販売者には、品ぞろえ、価格、利便性という点でアマゾンとまったく同じ目標を持って仕事をしてもらいたいと考えております。

販売者同士が競争をしていくことにより、結果的に最も優れた商品、サービスが消費者に選ばれます。販売者Aの商品が、あるときには販売者Bより優れているでしょうし、あるときにはBがAより優れています。そうした選択肢があることで、購入体験の満足度も向上していくと思います。

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