JR北海道「再生」のために必要な施策とは何か

3月の新幹線開業後も経営課題は山積

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老朽化が大きな問題となったキハ40形とPC枕木化が第一に行われた砂原線(撮影:村上悠太)

しかし、これらによる資産の圧縮だけでは経常損失の解消には足らない。さらなる施策に取り組むため、2015年11月に国や地方自治体を交えた「地域公共交通検討会議」が立ち上げられた。

この会議では状況の理解を求めるべく、JR北海道から輸送密度500人に満たず、赤字が際立つ10線区の収支が明らかにされた。JR北海道は、2015年5月の「平成26年度決算」の報告において、参考資料としてこれらの線区の利用状況を一般に公表した。

2020年以降はどうなるか

2014年度のデータで示された収支の厳しい区間は、すでに廃止が告げられている留萌線の留萌~増毛間を筆頭に、札沼線北海道医療大学~新十津川間、石勝線新夕張~夕張間、根室線富良野~新得間、留萌線深川~留萌間、宗谷線名寄~稚内間、根室線釧路~根室間、根室線滝川~富良野間、釧網線東釧路~網走間の順。これに災害を受けて長期運休中の日高線苫小牧~様似間が別掲されているので、合計10区間となる。

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営業係数4161の留萌線留萌~増毛間は突出しているものの、挙げられた他の区間についても日高線を含む5線区で1000を超えており、遠方に離れた地方都市を抱える宗谷線や根室線根室方面も厳しい状況にある。

須田氏によれば、これらの線区の営業損失が解消した場合約85億円の収支改善になると言う。しかし、それでもまだ年間300億円以上の営業損失であり、状況の好転にはほど遠い。

今後は、地域公共交通検討会議やその他の場を通じて他の路線を含めた鉄道のあり方、北海道における公共交通機関のあり方を議論してゆく。遅くとも「安全投資と修繕に関する5年間の計画」に対する支援措置が終了する2020年までに方針が定まらなければ、その先が再び以前と同じ状況に陥ってしまう。そのため残された時間は少ない。

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