918円安の大幅反落、日本株に吹き荒れる逆風 リスク回避の円買いで拍車かかる
[東京 9日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は大幅反落。前日比で一時978円安となり、昨年来安値を付けた1月21日以来の安値水準となった。欧州銀行株の大幅な下げを受け、リスク回避ムードが強まったという。
1ドル115円割れへと進んだドル安/円高も株売りに拍車をかけた。TOPIXは1月21日の昨年来安値を下回り、一時2014年10月31日以来の1300ポイント割れとなった。東証33業種すべてが下落。東証1部の98%が値下がりし、全面安の展開となった。
前日の欧州市場でドイツ銀行<DBKGn.DE>など欧州金融株が軒並み下落。STOXX欧州600銀行株指数<.SX7P>は5.59%低下した。米国市場でもS&P金融株指数<.SPSY>が2.6%安。欧米金融株を受けて東京市場では序盤から銀行や証券、ノンバンクなど金融セクターに売りが出た。
三菱UFJ<8306.T>、三井住友<8316.T>、みずほ<8411.T>などメガバンクがいずれも昨年来安値を更新。銀行業<.IBNKS.T>は13年1月以来の安値水準となった。10年最長期利回りがマイナス0.01%を付けたことを受け、運用環境の悪化などに対する懸念が広がったことも重しとなった。野村<8604.T>やアコム<8572.T>なども軒並み売られた。
世界的にリスクオフの動きが強まり、質への逃避として円買いが強まったことも日本株に逆風となった。ドル/円<JPY=EBS>は一時114.20円と14年11月10日以来、約1年3カ月ぶりの安値をつけた。輸出企業を中心に業績悪化懸念が強まり、トヨタ<7203.T>やパナソニック<6752.T>、ソニー<6758.T>などの下げが目立った。
株価の急激な下落を受けて投資家心理が冷え込み、日経平均ボラティリティ指数<.JNIV>は急上昇。一時1月21日以来となる43ポイント台を付けた。日経平均VI先物はサーキット・ブレーカーが発動し、午後0時36分から同0時46分まで一時売買停止となった。
いちよしアセットマネジメント執行役員の秋野充成氏は「欧州を中心に金融システム不安に発展するとの懸念がリスクオフを加速させ、投機筋の売りに拍車がかかっている」と指摘。一方、日銀による追加緩和期待などが下支えし、「日経平均1万6000円より下値は売り込みにくい」とみていた。
個別銘柄では、神戸物産<3038.T>がストップ安。同社株をめぐり、神戸物産関係者によるインサーダー取引が行われた疑いがあるとして、証券取引等監視委員会が金融商品取引法違反容疑で、神戸物産や同社関係者宅を強制調査していたことが報じられ、嫌気された。
半面、通期業績予想の上方修正を発表した関電工<1942.T>や東急建設<1720.T>のほか、チケット価格の値上げを発表したオリエンタルランド<4661.T>などが逆行高となった。
東証1部騰落数は、値上がり27銘柄に対し、値下がりが1904銘柄、変わらずが6銘柄だった。
日経平均<.N225>
終値 16085.44 -918.86
寄り付き 16666.79
安値/高値 16025.94─16668.7
TOPIX<.TOPX>
終値 1304.33 -76.08
寄り付き 1352.89
安値/高値 1299.53─1352.94
東証出来高(万株) 317335
東証売買代金(億円)30556.14
(杉山容俊)
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