「新宿線―東西線直通」へ、西武社長の意気込み

ダサイタマ返上、「プライドを持てる路線に」

――埼玉県を「ダサイタマ」と揶揄する見方もあります。

きたむら・きみお/1961年生まれ。1984年早稲田大学卒、西武鉄道入社。2010年西武ホールディングス取締役、2015年近江鉄道社長。2020年から現職(撮影:尾形文繁)

私は埼玉がダサいとは思わないが、住んでいる人に、「私は埼玉に住んでいるんだ、西武沿線に住んでいるんだ」とプライドを持ってもらうことが必要だ。これは行政任せではだめで、鉄道会社がいろいろなことを仕掛けていく必要がある。他社ではそこに力を入れている会社もあるが、当社はまだまだ。

日本全国には、沿線の人たちがプライドを持っている路線もある。では、その人たちが何にプライドを持っているかというと、それは一筋縄ではいかない。電車が格好いい、駅員の態度が良い、テレビドラマの舞台になったというだけは足りない。いろいろなことが複合的に結び付いて、それらが積み上げられてプライドが持てる鉄道会社になる。

われわれが独りよがりで、「いいでしょ、いいでしょ」と言っても支持されない。あこがれの沿線にするために、今足りないものを備えていく努力が必要だ。

「駅に何が必要か」先を読む必要性

――所沢にはプロ野球チームも遊園地もあります。こんな街はなかなかありません。それなのになぜ住む人たちが自信を持てないのでしょう。

私は35年ほど前に所沢の駅員として入社したが、そのころの所沢は田舎ののどかな駅で、駅前もぱっとしなかった。その意味で「私は所沢の駅の近くに住んでいる」と、人に自慢できる駅にするためには、われわれ自身がやるべきことが多い。

ちょっと前の駅は、売店があって、立ち食いそばがあって、コーヒーショップがあって、ちょっと気の利いた駅なら書店があって、ということでよかったが、今は駅に求められる機能が多様化している。宅配ボックスがあったり、最近ではテレワークブースも登場したりもしているが、駅に何が必要なのか、時代よりも1~2歩、先を読んでニーズをくみ取っていく必要がある。

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