トヨタを"超えた"テスラ、上昇続く株価の行方 過剰な期待にはイーロン・マスクも困惑か
2010年5月、トヨタ自動車の豊田章男社長とアメリカのテスラのイーロン・マスクCEOは資本・業務提携で堅い握手を交わした。電気自動車(EV)の新興ベンチャーと巨人トヨタの電撃的提携は世界を驚かせた。
それから10年後、誰がこうした状況を予想できただろうか。テスラとトヨタの"首位逆転”が迫っているのだ。
コロナ禍にもかかわらずテスラの株価はうなぎのぼりで、時価総額(株価×発行済み株数)が急拡大している。
ドルベースでトヨタの時価総額は約2100億ドル。一方、テスラは1800億ドルだ。テスラの時価総額は2020年初は約800億ドルだったので、倍以上に拡大している。ヨーロッパトップのフォルクスワーゲンはとっくに水を空けられている。
より厳密に、自己株を控除した時価総額と比べるとテスラのほうが上だ。近年、トヨタは株主還元の一環として、株式の需給を改善する効果がある自己株買いを積極化してきた。
2020年3月末時点で、トヨタの自己株式は発行済み株式数の約15%に達する。この自己株式分を除いたトヨタの時価総額は1800億ドルを割り込んでいる。つまり、株式市場はテスラをトヨタより上と評価したことになる。
時価総額だけみれば自動車業界の主役交代だが、通常の尺度からするとテスラの株価はまったく説明がつかない。業績を見てみよう。
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