【キーマンを直撃】リストラはやりたくないが生き残りには避けて通れない--SUMCO瀧井副社長

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【キーマンを直撃】リストラはやりたくないが生き残りには避けて通れない--SUMCO瀧井副社長

携帯電話、パソコン、デジタル家電、自動車--。私たちの身の回りで生活を支える各種機器の制御に欠かせない半導体。その基板となるのがシリコンウエハである。半導体シリコンウエハは信越化学工業、SUMCOという、日本の2大メーカーが世界で3割程度ずつのシェアを握る2強として知られる。その2強の一角であるSUMCOが、8月末の締め切り予定で希望退職者の募集に踏み切った。

SUMCOはもともと住友金属工業と三菱マテリアルのシリコンウエハ事業を2002年に統合して発足。その後、買収により、建機大手コマツ系で同業のコマツ電子金属(現SUMCO TECHXIV)もグループに加えた。世界経済や半導体市場の成長に合わせ、積極的な設備投資を重ねて業容を拡大。08年1月期には売上高4749億円、営業利益1403億円を稼いだ。当時の営業利益率29%は、日本の製造業大手でも屈指の収益力を誇った。

だが、リーマンショックを経て状況は一変する。需要の急減とともに半導体シリコンウエハの価格は急下落。その後、世界景気の持ち直しを経ても価格は元に戻らず、10年1月期に865億円の営業赤字に転落。その後の3年間で合わせて約2500億円もの純損失(最終赤字)を計上する事態となった。

今春には大株主などに出資を仰ぎ、450億円の優先株を発行。一部工場やラインの閉鎖、太陽電池用シリコンウエハの撤退などのリストラにも踏み切り、経営陣も刷新した。SUMCOはこのまま立ち直れるのか--。住友金属出身でこの春に就任したキーマン、瀧井道治副社長(=写真=)が東洋経済のインタビューに答えた。

--住友金属で専務を務めた後に、SUMCOの副社長へ転じました。

住友金属では財務や経営企画を担当していました。今春、SUMCOが実施した450億円の優先株発行では、親会社である住友金属と三菱マテリアルが150億円ずつを出資しましたが、そのアレンジメントも担当していました。そういう経緯もあり、同じく三菱マテリアルからSUMCOの社長に転じた橋本眞幸さんと相談して、SUMCOをしっかりと再編していくことになりました。

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