日本銀行が追加緩和を見送り 緩和の遂行にあの手、この手……

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 しかし、金融緩和をしても第二段階の状況になかなか発展しない。こうした状況が長引けば金利低下の影響から利ザヤが徐々に低下し、金融仲介を担う銀行の収益がさらに圧迫される。貸出に回せないおカネは国債投資へ向かい、銀行による国債の投資残高が増加の一途。結果、金融機関が積極的に国債を買い入れることで、国債市場の“安定化”につながっている。基金の買い入れ拡大によって第二段階の動きがどこまで活発化するのか。その答えはまだ出ていない。

■以下は会見の主なやり取り

--今回の基金の減額と増額は、金融緩和ではなく、技術的な措置になるのか。

日本銀行では基金による買い入れを毎月行うことで、金融緩和を毎月強化しているともいえる。技術的というよりも、間断なく強化している金融緩和を着実に行うための措置だ。

--短期国債とコマーシャルペーパーの買い入れで下限金利を撤廃する狙いは。

短期国債のマーケットは現在、0.1%を上回る金利水準で発行が行われている。そこで日銀が0.1%の下限金利を設定すると基金を通じた買い入れが十分に行えない。下限を撤廃すれば短期国債の買い入れが着実に遂行できる。

--札割れが相次ぐ固定金利オペの目標を減らした一方、短期国債を増やした意味は。

今回、札割れがもっとも頻繁に発生しているのは短期の固定金利オペだった。短期のオペという意味で短期国債に振り替えるのは自然な対応だと考えている。

--資産買入による金融緩和はもはや限界がきているのではないかという見方もある。

「限界がある」とネガティブなトーンで言われたが、札割れは金融緩和の効果が発揮されている証左だ。中央銀行の金融緩和が経済を持ち上げていく経路は、金融環境が改善し、その環境を利用して企業が投資を行うという二段階に分かれる。第一段階での札割れは非常に緩和効果が浸透しているといえる。

 

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