三菱ケミカルホールディングス傘下の三菱樹脂が管材事業から撤退、積水化学へ譲渡
三菱ケミカルホールディングス傘下の三菱樹脂(本社・東京都千代田区)は7月10日、塩ビ管をはじめとする管材事業から事実上撤退すると発表した。積水化学工業に譲渡する。人口減の進行などを受け、将来的に新規住宅着工件数の縮小が見込まれる中で、不採算分野を整理する狙いだ。
三菱樹脂と積水化学との包括合意書は同日付で締結した。今後、関係当局の承認を経て、今年度中に事業譲渡を完了する計画だ。譲渡の対象となるのは、三菱樹脂本体の管材事業にかかわる人員や資産、契約、知的財産権などのほか、グループ会社の人員や機械設備、関連会社株式なども含まれる。
三菱樹脂グループで管材事業にかかわる人員は300人程度で、その大半が対象となる見込み。譲渡金額は公表していない。譲渡の対象となる管材事業の年間売上高は約230億円。三菱樹脂の直近2012年3月期の連結売上高は3790億円であり、事業譲渡により減収にはなるが、「年間数億円プラスアルファの利益改善が見込める」(三菱樹脂の黒山薫常務、写真)という。
国内の管材分野では、クボタシーアイが業界トップシェアで、2位に積水化学、3位に三菱樹脂が続いているとみられる。積水化学の高見浩三専務は10日に東京都内で開いた会見で、「(積水化学と三菱樹脂の事業統合により)シェアはトップになると思っている」と述べた。
(武政 秀明 =東洋経済オンライン)
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