スクエニは、タイトルのマルチ展開を進める スクウェア・エニックス北米子会社トップに聞く

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--スクエニは海外企業とのアライアンスも積極的だ。

米アクティビジョン社から版権を獲得した「コール オブ デューティー」を09年9月から日本で販売しているが、足元の販売が非常によい。私も情報を聞いて驚いた。

昔は米エレクトロニック・アーツ社、アクティビジョン社のゲームは「洋ゲー」と言って日本で敬遠されていたが、今は受け入れられやすい環境になってきた。地道なプロモーションなどが奏功しているのだろう。ディズニー・インタラクティブスタジオと提携した「キングダムハーツ」は、今年で10周年と息の長い商品に育っている。

--E3のカンファレンスを見ても、アメリカで宣伝するタイトルは暴力的なものが目立つ。日本と好まれるものが根本的に違うのか。

E3はハードコアのイメージが強く、バイオレンスなゲームは目立ちやすい。ただ、日本でも「バイオハザード」は人気だし、一概にそうとは言えない。総じて日本人はシミュレーションゲームが好きで、アメリカ人がシューティングゲームを好むという違いはあるかもしれない。

--任天堂の「Wii U」は、発売時期、価格も公開されていない。「Wii U」向けタイトルの開発状況はどうか。

“never count out nintendo”、任天堂をカウントしないと言うことはあり得ない。彼らは必ず成功する。たとえばバーチャルボーイが大失敗した後にポケモンが出てきた。ゲームキューブが伸び悩んだときに、Wiiが出てきたというように、絶えずイノベーションを繰り返すのが任天堂だ。「Wii U」が成功するかどうかは消費者の判断だが、われわれは非常に期待している。

--とはいえ、ソフトメーカーはマルチプラットフォーム展開に舵を切っている。

昔のように1つのハードが8割の市場を占有するというような状況ではなくなった。今はそれぞれのプラットフォームのシェアが拮抗している。また米国は「Xbox360」が強く他国ではそうではないという各国の違いもあるので、マルチ展開することでリスクを抑えることが重要だ。

マイク・フィッシャー●1988年にセガに入社。ナムコ、セガ、マイクロソフトを経て、2010年にスクウェア・エニックスに入社。

二階堂 遼馬 東洋経済 記者

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にかいどう りょうま / Ryoma Nikaido

解説部記者。米国を中心にマクロの政治・経済をカバー。2008年東洋経済新報社入社。化学、外食、ネット業界担当記者と週刊東洋経済編集部を経て現職。週刊東洋経済編集部では産業特集を中心に担当。

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