スクエニは、タイトルのマルチ展開を進める スクウェア・エニックス北米子会社トップに聞く
--「Gameglobe」はどのように、革命的なのか。
プレイステーション3の「リトルビッグプラネット」などが、同じ要素のゲームとしてあるが、断然操作性が優れている。内容はユーザーが自分で環境を設定し、水車、橋など建物を置き、敵、罠を貼り付けて友達がそのレベルをプレイできる、オンラインコミュニティ。基本的には無料プレイがベースだが、より面白いパーツを使いたかったらそれをユーザーが購入するというアイテム課金モデルだ。
開発コストが劇的に安い、といった点も魅力だ。数字は言えないが、「ファイナル・ファンタジー」や「ヒットマン」のようなゲームは、膨大な開発コストがかかる。最近の家庭用ゲーム業界で続編が多くなりがちなのも、こうした開発コストの高止まりが背景にある。「Gameglobe」は一般的なゲームより開発が安く、リスクが少ない。
コストが安くなることによる効果は業績面に限らない。これまで、ゲーム業界には、ゲームの専門学校を卒業しなければ入れなかった。ただ、こうした安く開発できるタイトルが増えることで、若者を始めこれまでゲーム業界に入れなかった人材の流入を見込める。すなわち、業界全体の繁栄にもつながると考えている。
--「ヒットマン」、「トゥームレーダー」は元気のない時期もあった。
古くからあるIP(Intellectual Property:知的財産、自社タイトル)、復活したIP、全く新規のIPの3つの柱が重要だと考えている。新規のIPについては、今説明した「クウォンタム コナンドラム」と「Gameglobe」に期待したい。
既存のIP活性化については、明るい兆しが見え始めている。スクウェア・エニックスが09年4月に英アイドスを買収して以降、各国のクリエイター同士の交流は多いとは言えなかった。だが今はようやく、それができるようになってきた。
E3で発表した新規のゲームエンジン(=ゲーム開発に必要な様々なツールやライブラリで構成される開発環境)である「Luminous Studio」に関する各国クリエイターの関心も非常に高い。「Luminous Studio」をどのタイトルで採用するかは現時点で未定だが、こうした横の交流を促進していきたい。
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