EUが域内製品優遇策を、強い規制の下で進めたとしよう。とはいえ、ハイエンドの製品はともかく、ミドルレンジからローエンドの製品に関しては、中国や一定の工業化を済ませた新興国に、コスト面では太刀打ちできない。
そうした国々が価格を下げてくれば、EUが規制を強化したところで、結局は流入が避けられないと予想される。
これはロシア産の天然ガスに対する理屈と同じだ。EUはロシア産ガスの利用と輸入を削減したが、それでもロシア産ガスは液化されたうえでEUに流入し続ける。それは、ロシア産ガスが安価であるためだ。
ではEUが完全にロシア産ガスの輸入を停止したらどうなるか。それは一段のガス高を許容し、市民の生活を圧迫することになる。
そもそも自由貿易であるから、ロシア産ガスを削減しても他国産のガスにEUは切り替えることができた。EUがロシアとの関係を、安全保障を理由に断ち切らなければ、イラン発のエネルギーショックの悪影響も、ロシアからの調達強化というかたちで緩和できただろう。経済を管理しようとした結果のしっぺ返しは強烈である。
欧州は一段のコスト高と市民生活の圧迫に向かう
欧州の経済管理志向は伝統的なものだ。そのため、そうは簡単に揺らがない。一段のコスト高に向かい、市民の生活が圧迫されるという帰結に向かうのではないか。
翻って日本だが、欧州以上に資源の制約が強いこの国が、EUと同様の管理志向を強めたところで、意味がないどころか、さらに深い手傷を負う。
日本が目指すべきは、自由貿易を前提としたうえでの多様な調達ルートの維持と、買い負けしないための円高だ。自由貿易と円高の意味合いを、日本は忘れてはならない。
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