遺産分割でもめる家族や財産に類型あり--『モメない相続』を書いた長谷川裕雅氏(弁護士、税理士)に聞く

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──相続税については税制改正が決まりました。

実際に変わるのはだいぶ先だが、基礎控除が縮小し、重税化されるのは間違いない。それに合わせて財産をどう持つべきか、現金にすべきか、不動産を買ったほうがいいのか、生前贈与をしておくべきか、など、長い目で見ないと解決できないことに準備することはできる。

──その際の弁護士の役割は。

弁護士が絡めば対策に深みが出る。ただし最終的には、経済的な判断を仰ぐことになるので、法律の世界と違って、何が正しい、こうなるはずだというよりも、本人の価値観が絡む。アナリスト的な要素も出てくる。その際に弁護士はとかく慎重に判断する。法律に関するアドバイスでも歯切れの悪いところがある。そういうスタイルなので、アナリストとはベクトルが違うことを前提に応接してほしい。

はせがわ・ひろまさ
東京弁護士法律事務所・代表弁護士。1975年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、朝日新聞社入社。事件記者として忙しい日々を送る中で、当事者と一緒に悩む立場に身を置きたいと弁護士に転身。著書に、シリーズで10万部を超えた『磯野家の相続』『磯野家の相続税』がある。

(聞き手:塚田紀史 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2012年6月16日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

『モメない相続』 朝日新書 756円 196ページ


  
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