学校も教員も混乱必至、《高校「数学」で学ぶ内容を再編へ》"AIを使う上で基盤となる単元"の充実で何が起こるか?
「新しい学習指導要領が導入されるたびに現場は対応に追われ、やっと授業スタイルが決まったところでまた改訂されます。共通テストをはじめとした入試の受験科目も変わることになります。
改訂のたびにあれもこれもと盛り込まれますから、現場の教員は教えきれず、生徒もいっぱいいっぱいになってしまいます。そのため、文科省が目指すような“じっくり思考力を高める学び”とは正反対の状況になっているのです」(竹内氏、以下同じ)
文科省が示した方針の中でも、特に混乱につながる可能性が高いのが、選択科目の数学A・B・Cの区分けの廃止だという。
◎数学の科目構成 見直しのイメージ
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AIやデータサイエンス、数理科学に関わる行列やベクトル、統計、確率などの重要な単元が数学A・B・Cに散在してしまっているため、多くの生徒が学んでいない状況にあり見直しが検討されているのだ。
さらに学校の方針や生徒の関心に合わせて学ぶ内容を選択できるようにする方向で議論が進められている。
「数学A・B・Cの枠組みを外して選択履修になったからといって、教える量が減るわけではなく、実際は増えると思います。大学入試を考えなくてよいのであれば、生徒の進路実現に必要なものを選択すればいいのですが、やはり『目の前の共通テストや二次試験に出るか出ないか』が大事になってきます」
実際に、現在も学習指導要領が目指す理想と、入試という現実に向かう現場の実情では乖離が生じているという。
「今の学習指導要領では、数学Bの統計的な推測が必須単元となっておらず選択の内容になっています。統計はデータサイエンスに必要なため、国策としても全員に学んでもらいたい内容なのですが、共通テストでは選択しなくてもよく、二次試験で統計を出す大学はほとんどありません。
そうなると、ただでさえ数学の勉強が大変な理系の生徒は統計を選びませんから、教えない学校も出てきます」
系統性がある科目を再編して起こることとは
次の学習指導要領の方針では、必履修の数Iにも行列やベクトル、統計などを入れるという案が出されている。
AI等の基盤となる内容を含め、高校卒業時に身に付けるべき数学的素養の基礎を学ぶ内容の新設が検討されているのだ。


















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