「国際バカロレアって何?からのスタートだった」、定期テストなし・探究学習を全面導入…北海道鹿追町2つの中学校"IB認定"の裏側
シンボ氏は、「鹿追町の中学校生は探究を楽しんでいる」とも言うが、それは、シンボ氏自身にもいえそうである。
実は、シンボ氏はIB認定校で学んだ経験があるわけでもなく、IBコーディネーターの職歴が長いわけでもない。
広島県出身の日本人を祖父母にもつシンボ氏は、アメリカのワシントン州シアトルで生まれ育った日系アメリカ人である。シンボは姓で、「新保」と書くそうだ。米国式では「グレン・シンボ」と表記するところだが、日本では日本式に姓を先にして「シンボ・グレン」と名乗っている。
スタンフォード大学で工学を学び、日本に来たのは28年前のことだった。「大学院に行く前の休憩のつもりだった」と、本人は言う。
来日して、大学と関係のあった帯広市内の英会話教室に勤めたが、そこから派遣されて帯広市内の中学校でALT(外国語指導助手)を務めたりもしていた。その英会話教室で5年間勤めたあとで、帯広市教育委員会に直接採用されてALTとして約20年間勤務していた。
「休憩」のつもりが長期滞在になってしまったわけで、その理由を彼は次のように話した。
「英語指導より生徒指導とか進路相談をしている時間のほうが多くて、ALTらしくないALTだったかもしれません。しかし、そういう生徒との関わりが楽しくて、いつの間にか20年以上も日本にいることになってしまいました」
そして、鹿追町にやってきたのが3年前のことである。帯広市で一緒に授業をしていた教員が鹿追町の教育委員会で働くことになり、彼に誘われたのがきっかけだった。ALTとして働くつもりで、まさかIBコーディネーターになるとは本人も思っていなかったらしい。
ALTで働くつもりがIBコーディネーターに任命
「2023年の3月に赴任して名刺が必要なので、『私の肩書は何になりますか』と上司に訊いたら、『国際バカロレアコーディネーター』と言われました。それを聞いて、驚いてしまいました」
そこから本格的にIBについて学び始めたことになる。ただし鹿追町としては前年の22年にMYPの導入を決めており、2名の校長がIBの公式研修を受講するなどしていた。コーディネーターもシンボ氏だけでなく、複数人いる。


















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