「国際バカロレアって何?からのスタートだった」、定期テストなし・探究学習を全面導入…北海道鹿追町2つの中学校"IB認定"の裏側
MYP取得には3つのステップがあり、導入を検討してIB機構に連絡を取り、情報提供を受けている段階が関心校、次に研修や試験的導入を行う段階が候補校で、鹿追町は23年春には候補校になっている。
そこから正式に導入してIB機構に認定されれば認定校になる。そのためには必要書類も多く提出しなければならないが、それらは英語で書かなければならない。IB機構から送られてくる書類や問い合わせも英語なので、ここでは英語を母国語とするシンボ氏が大きな役割をはたした。
シンボ氏が「素人」からのスタートだったように、鹿追中学校や瓜幕中学校の教員も同じようなものだった。関心校になったときにも、「IBって何?MYPって何?」という教員が多い状態だった。そこからシンボ氏も教員も勉強を始めて、そして認定にまで漕ぎ着けたのだ。
「MYPでは、教員がやることを具体的に示しているわけではありません。わざとかもしれませんが、あいまいな表現が多い。だからIB機構から派遣されるコンサルタントと打ち合わせを重ねながら、さらには教員同士で話し合いながらMYPについて学んでいきました」
授業のやり方を大きく変えることに抵抗のある先生も
教員も探究学習をしているようなものである。それが簡単なことではないので、MYPの認可取得にまでたどりつく学校は少ないのだ。それを鹿追町の2校はやりきったわけだが、教員全員が足並みをそろえられたわけでもない。
「正直に言うと、MYPのやり方についていけないというので、ほかの学校に転任していく先生もいました。ずっとやってきた授業のやり方を大きく変えることに抵抗のある先生もいたと思います」
教員もそうなら、保護者にも抵抗があったのではないだろうか。
MYPのやり方では、授業の最初に教員が説明し、その後は生徒がそれぞれで学習を進めていく。学習の場も教室の自分の机と決まっているわけではなく、廊下だったり、図書室、音楽室、あるいは校長室だったりもする。
教壇に立つ教員を全生徒が自分の席に座って注目する従来の一斉授業に慣れてきた保護者からすれば、奇異な光景にちがいない。そんな授業を目の当たりにすれば、衝撃を受けることだろう。授業参観のときに、わが子が教室から出て行ってしまったら、心配が先に立つはずだ。


















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