「Qデー」間近、ネットで安全に情報送れる「暗号化」が解読される日が近い"データを今盗んで、後で解読する"攻撃は今も起きている…早めに対策を
セキュリティ専門家の間で注目されているのが、この暗号解読可能な量子コンピューターが実用化される「Qデー」はいつ訪れるか? と、Qデーが到来しても解読が困難な暗号技術、ポスト量子暗号(以下PQC:Post-Quantum Cryptography)への移行である。
PQCへの移行は、遠い未来の脅威への備えでは決してない。機密性の高いデータを保護する組織にとって、その脅威はすでに到来しており、今日取り組むべき経営、法務、そしてデータガバナンス上の喫緊の課題となっている。
なぜなら、データを今盗んで、後で解読する「Harvest Now, Decrypt Later」は、現在進行形で仕掛けられている攻撃だからだ。
Harvest Now, Decrypt Later(以下、HNDL※) とは、従来のサイバー攻撃の概念を根本から覆す戦略である。
従来のサイバー攻撃は、侵入と同時に、あるいは短期間のうちにデータの搾取やシステムの破壊を行う「即時性」を有していた。それとは対照的に、HNDLは“時間を脆弱性に変える”戦略である。
つまり攻撃者は、現在は解読不可能な暗号化データを「今(Now)」収集・蓄積し、将来的に十分な計算能力を持つ暗号解読が可能な量子コンピューター(CRQC:Cryptographically Relevant Quantum Computer)が登場した時点「後(Later)」で復号を行う。
この戦略は、データの価値が時間の経過とともに失われない、あるいは長期間にわたって機密性が保持されるべき情報に対して、致命的なリスクをもたらす。
この攻撃の本質を、子どものいたずら防止を目的とした「知識によるチャイルドロック」に例える。
家族全員で視聴する動画サービスの決済時などに「さんたすごは?」といった平仮名の読みと足し算を求める仕組みがある。これは未就学児には有効だが、子どもが成長し知識を習得した瞬間に、その防御能力はゼロになる。
※1 HNDLはSNDL(Store Now, Decrypt Later)やCNDL(Capture Now, Decrypt Later)と表現されることがあるが意味は同一である。
Harvest Now「潜伏するサイバー攻撃」
HNDL攻撃の最大の特徴は「被害が現在進行形では見えない」ことにある。データは盗まれているが、悪用(復号)されていないため、漏洩の事実が発覚しにくい。


















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