波紋を呼ぶ「探究学習の《大学教員に協力依頼》」、「学習指導要領・解説」に記載の"外部との連携"は必要か?博士号を持つ高校教員が今思うこと
「校務分掌」というのは、「教務」「進路指導」「生徒指導」など、教員が学校運営に関するさまざまな部門を担う部署や役割分担のことを指します。例えば、筆者の勤務校には、「探究活動委員会」という校務分掌があり、この委員会で年間の指導計画を立てて、実際の運営も行っていくようになっています。
探究活動委員会では、年度初めに全校生徒を対象に「総合的な探究の時間」のガイダンスを実施していますが、その中で「外部への問い合わせを行いたい場合は、学級担任へ申し出ること」と生徒に指導しています。申し出があった場合は、学級担任を通じて委員会に報告を行い、委員会の教員が外部への対応を行います。
ただ、実際に生徒からの申し出はほとんどありません。本校では「県立図書館に必要な文献をオーダーできる」という形の外部連携を行っておりますし、1人1台端末と校内無線LANが配備されてからはWeb検索で必要な情報に簡単にアクセスできるようになりましたので、わざわざ外部の専門家に問い合わせずとも大抵の疑問は解消できるからです。
しかし、本校以外の状況はどうかというと、校内の指導体制が整っていない高校が多いというのが実情です。校内の人的リソースの不足から探究活動委員会のような専門の校務分掌自体が設定されておらず、ほかの分掌が兼務している場合や学年の教員が担当する場合もあり、事前指導を十分に行うことができないこともあります。
「メールのマナー」を知らない高校生たち
現在の高校生は物心がついたときからSNSが身近にあり、電子メールをほとんど使ったことがありません。友人同士でのSNSのメッセージの送信と同じ感覚で、大学の教員に質問や依頼の電子メールを送信すると以下のような文面になることが予想されます。
・自分はどこの誰なのかを名乗らずに本文が始まる。
・挨拶なしにいきなり本題が始まる。
・文末にお礼の言葉がない。
・署名もないので、結局どこの誰かわからないまま終わる。
また、仮に大学の教員から返信が届いたとしても、SNSでの「既読通知」という文化に慣れているので、返信に対してのお礼のメールを送るという概念を持ちません。それどころか、メールチェックをするという習慣がありませんので、返信が届いていることに気づきもしないまま埋もれていくといった事態が生じます。


















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