喪われたレーモンド建築 東京女子大学レーモンド建築 東寮・体育館を活かす会編著

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喪われたレーモンド建築 東京女子大学レーモンド建築 東寮・体育館を活かす会編著

明治維新から150年近く経ち、モダニズム建築の取り壊しが進み、文化遺産該当の建築物保存の正否で、議論が絶えない。いわば価値評価における経済性と文化性のぶつかり合いだ。その文化遺産の水準が世界レベルとなればなおさらだろう。その検討手順・評価に一石を投じたのが本書だ。

武蔵野の面影を残す自然豊かな環境の中にある東京女子大学。その建物は、多くがライトの弟子、A・レーモンドの設計によるものだ。手掛けた9棟のうち、2棟の取り壊しが焦点だった。前川國男や吉村順三を育てた建築家の最初期の設計なだけでなく、建学精神の結晶でもあると保存派は主張し、片や学校運営者側は耐震性と時代の流れに沿う魅力ある施設改善のためにやむをえないと考えた。

結果、「1万を超える署名を集めながら、なお解体を防げなかった活動の全記録」を生むことになった。本書は、今後の同種のケースにおいてよき判断資料として長く参考にされよう。

工作舎 2520円

  

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