【ヤマハの次世代バイク電動化は全方位戦略がカギ】2輪の世界でBEVもHEVもPHEVも、すべての選択肢を残す必要性

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ヤマハのストリートファイターモデル「MT-10SP」
ヤマハのストリートファイターモデル「MT-10SP」(写真:ヤマハ発動機)

 

このモデルも、プラグイン・ハイブリッドシステムを採用すること以外、パワートレインなどの詳細なスペックは未発表。なお、プラグイン・ハイブリッドシステムとは、一般的なクルマの場合、ガソリンエンジンとモーターの両方を搭載するハイブリッド車で、外部コンセントからバッテリーに充電できることが特徴。これにより、短距離はモーターのみのEV走行を行い、バッテリー残量が少なくなるとエンジンとモーターを併用してハイブリッド走行に自動的に切り替えることが可能だ。

プロトPHEVの場合も、モーターとエンジンという2つの駆動を自動で切り替える点は同様だ。発進時や低速時はEV走行。一定速度以上になるとエンジンが始動し、モーターが駆動力をアシストするハイブリッド走行を行う。とくに、このモデルが採用する自動切り替えモードは、EV走行からハイブリッド走行への切り替わりが非常にスムーズだという。しかも、EV走行でモーターのみで走行するときは非常に静か。一方、エンジンに切り替わると、排気音と共に荒々しいパワー感も加わるので、大型バイクらしい心躍る乗り味を体感できるという。

プロトPHEVのパワートレイン
プロトPHEVのパワートレイン(写真:筆者撮影)

このモデルなら、たとえば、住宅地やオフィス周辺など、大型のエンジン車では走行時の音などを抑えたい場所で、静かなEV走行での移動が可能。そして、高速道路など高速域ではトルクフルなエンジンによる余裕の走りも楽しめる。エリアや状況に応じ駆動力の選択が可能な点が新しい。

なお、具体的な市販化の時期などは、こちらも未発表。大型バイクの楽しみ方や可能性を広げることが予想できるモデルだけに、近い将来の登場に期待したい。

ミドルクラスのスクーター相当になる「プロトHEV」

ヤマハのプロトHEV
ヤマハのプロトHEV(写真:筆者撮影)

ガソリン車でいえば、250cc~300ccのスクーターに相当、ミドルクラスの次世代モデルとして開発中なのがプロトHEVだ。このモデルの特徴は、シリーズ・パラレルハイブリッド機構を採用すること。4輪車でいえば、トヨタ「プリウス」などでもおなじみのシステムだ。

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