【ヤマハの次世代バイク電動化は全方位戦略がカギ】2輪の世界でBEVもHEVもPHEVも、すべての選択肢を残す必要性

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ヤマハのスーパースポーツ「YZF-R1M」
ヤマハのスーパースポーツ「YZF-R1M」(写真:ヤマハ発動機)

いわばYZF-RのBEV版といえるのが当モデル。搭載するバッテリーや駆動用モーター、車体サイズなど、詳細なスペックは未発表だが、外装には軽量・高剛性のカーボン製カウリングを採用する。レーシングマシンさながらの装備だが、これは搭載する大容量バッテリーがかなり重いため、可能な限り車体を軽くするためだ。これにより、従来のエンジン車と同等の優れた操縦安定性を実現しつつ、BEVの魅力であるリニアなスロットルレスポンスや、力強くスムーズな加速性能を融合させているという。

プロトBEVの足まわりやホイール&タイヤ
プロトBEVの足まわりやホイール&タイヤ(写真:筆者撮影)

ヤマハの開発者によれば、「非常に低い速度域からトルクが出ることで、俊敏なスタートダッシュを味わえる」という。また、コーナーに進入する際などの減速時、通常のエンジン車は前後輪のブレーキに加え、エンジンブレーキも利くが、BEVでも心地よい減速感を出すようにセッティング。これらにより、スーパースポーツらしいダイナミックな乗り味と、電動車ならではの静かでスムーズな走行フィーリングを体感できると語る。

なお、具体的な市販化の時期などは未発表。ヤマハ製スーパースポーツは、高い動力性能だけでなく、軽快なハンドリングなどで操る楽しさにも定評があるだけに、BEV版では、いったいどんな乗り味を楽しめるのかが今から気になるところだ。

ストリートファイターに相当する「プロトPHEV」

プラグイン・ハイブリッドシステムを搭載したヤマハのプロトPHEV
プラグイン・ハイブリッドシステムを搭載したヤマハのプロトPHEV(写真:筆者撮影)

一方、プラグイン・ハイブリッドシステムを採用したプロトPHEV。これは、大型モーターサイクルの楽しみ方の拡張を目指す研究・開発モデルという位置づけのモデル。エンジン車でいえば、1000ccのストリートファイターに相当するという。

ちなみにストリートファイターとは、スーパースポーツ並みの高い動力性能を持ちつつも、街乗りやツーリングなどでの快適さも両立したモデルのことだ。アグレッシブなカウルレスのスタイル、長距離走行でも快適なライディングポジション、高性能かつ扱いやすいエンジン特性などが特徴。

ヤマハのエンジン車では、1000ccから125ccまで豊富なラインナップを誇る「MT」シリーズがそれに当たる。とくに、プロトPHEVに近いモデルは、1000cc・4気筒を搭載するフラッグシップの「MT-10/SP」になるだろう。

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