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丸の内に高層ビル、湾岸にタワマン。都市の風景には必ず理由がある/『歩いて学ぶ都市経済学』中島賢太郎氏、手島健介氏、山﨑潤一氏に聞く

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(写真左)手島健介(てしま・けんすけ)/同志社大学教授。京都大学卒業後、2010年米コロンビア大学で博士号(経済学)取得。一橋大学教授などを経て現職。専門は国際貿易論、開発経済学、産業発展論など
(写真中央)中島賢太郎(なかじま・けんたろう)/一橋大学教授。東京大学博士(経済学)。東北大学准教授、一橋大学准教授などを経て現職。専門は空間経済学、都市経済学
(写真右)山﨑潤一(やまさき・じゅんいち)/京都大学大学院准教授。東京大学卒業後、2018年に英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで経済学PhD取得。神戸大学を経て現職。専門は開発経済学、都市経済学、日本経済史など
東京・丸の内に立ち並ぶ高層のオフィスビル。一方、湾岸地区にはタワーマンションが林立する──。私たちが日常目にする都市の風景は、行政や企業、住人などさまざまな意思がせめぎ合った結果だ。その背後にあるメカニズムを明らかにする「都市経済学」の分野で、気鋭の研究者3人が画期的な入門テキストを出版した。

街の姿には必ず理由がある

──ある街がなぜ今の姿になったのか、なぜ特定の街でほかと違う状況が生じるのか。都市経済学には謎解きのような面があります。

中島 街の姿には必ず理由があり、それは経済学のツールを用いることで説明できる。本書は全12章の各章で国内の多様な地域を取り上げ、経済学マインドで街を捉える方法を示している。

『歩いて学ぶ都市経済学』(中島賢太郎、手島健介、山﨑潤一  著/日本評論社/2640円/248ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

わかりやすい例として挙げたのが、東京湾岸にタワーマンションが林立している理由だ。これは、丸の内のオフィスに短時間で通いたい人々、高所得層の住宅需要への応答として捉えることができる。

どういうことかというと、東京の中心部・丸の内には、高い賃料を支払える企業向けのオフィスビルが建つ。生産活動の地理的集中がもたらすプラスの効果「集積の経済」によるものだ。

一方、中心から少し離れた所では住宅需要が強くなる。そこには長時間通勤による損失(機会費用)の大きい、時給の高い人々が住むだろう。湾岸のタワマンには、似たような考えを持った、同じような立場の人が集まってくる。高所得層向けタワマンが特定のエリアに建つことには、明確な理由とメカニズムがあるのだ。

私の出身地、福岡県の例も取り上げた。博多駅西側では不自然なまでにビルの高さがそろっているのだが、それにもやはり理由がある。航空法の建物高さ規制により、博多駅周辺では標高54.1mまでの建物しか建てられないのだ。

博多駅は空港に近いから、福岡という都市の玄関口でありながら、規制緩和が行われるまで長い間、高層ビルが建たなかった。規制のあり方は、現実の風景を変える。

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