ーーー今のお話を聞くと、かなり海外大学の入試システムに寄せた形になっているように感じます。CoDができることで、受験の構図はどう変わると見ていますか?
孫「まず前提として、この入試形態とプログラムは、明らかに海外大学を意識しています。海外のトップ大学、例えばスタンフォード大学・オックスフォード大学・ハーバード大学を狙っていた日本人学生層が、東大も受験しようと考えるようになると思います。
というのも、やはり東大の二次試験の記述入試は攻略難易度が高く、東大の二次試験の対策と海外大学の勉強を並行することはあまり現実的ではありませんでした。海外大学の入試形態と東大の入試問題はかなり違うため、もちろんダブル合格するような天才もいましたが、しかしそれもかなり一握りでした。進学校のトップ層でも、海外大学への進学か東大への進学かの二者択一になるケースが多かったです。
それが10年前からの東大推薦入試によって一部ダブル合格も出るようになったわけですが、その人数も少なかった。それが今回のCoDで、一気に増えるんじゃないかと思います。
共通テスト+エッセイ+面接、もしくはIBやSATといった国際試験+エッセイ+面接という組み合わせは、海外大学の出願準備とかなり親和性があります。極端に言えば、『海外大を第1志望にしつつ、東大CoDを“本気の併願”にする』ことが現実的な選択肢になる。これは、日本の進学校の“進路マップ”にとってかなり大きな変化だと思います。」
共通テストは「枷」になるのか?
ーーーとはいえ、この入試形態だと日本学生の共通テストは課せられるわけですが、それは海外大学進学希望者にとっては枷にならないのでしょうか。
孫「そこまでならないと思います。自分も中国の清華大学に合格していますが、そこでもセンター試験(現在の共通テスト)の結果を提出していました。また特に共通テストは、知識量だけで勝負が決まるのではなく、情報処理能力や思考力が求められますから、インターナショナルスクールに通っていて一般入試の対策を専門的にやっていない人であっても、共通テストの点数が取れる人というのは一定数いるんですね。
そういう人が、今現在は海外大学や早稲田大学の国際教養学部やAIU(国際教養大学)に進学していたわけですが、そういう人にとって“東大”という選択肢が増えたと見ることができると思います。



















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