留学費用「年間300万円は必要」とは限らない!円安・物価高で行き先を変える留学生も…経済的に厳しい状況でも留学を実現する工夫とは?

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留学先の国・地域によって必要な学費や生活費は大きく異なるため、「『年間300万円から400万円の費用が準備できなければ留学できない』というわけではない」と西川さんは強調する。

高校生に関しては、トビタテでは2023年度から「拠点形成支援事業」も開始している。これは高校生のグローバル人材の育成に取り組む自治体に対して体制づくりや資金を支援する事業で、「文科省主導ではなく地元の自治体が募集する枠組みなので、高校生も挑戦しやすいのか応募が増えています」と西川さんは言う。

「高校生対象の奨学金制度は少ないですが、多くの自治体では高校生向けに資金補助のある留学プログラムを独自に設けており、ここ数年では、兵庫県や青森県をはじめ、新たな制度を打ち出す自治体も出てきているので、ぜひ調べてほしい。条件によってはトビタテと併用できる場合があります」(西川さん)

柴田さんと小林さんも「留学を諦める前にさまざまな選択肢があることを知ってほしい」と留学希望者にエールを送る。

「『お金がないから』という理由で留学を諦めてしまうのはもったいないです。手段はいろいろあるのでどうにか探してぜひチャレンジしてほしい。また、私は留学経験者が身近にいない環境で育ちました。そうした環境にいると、留学支援のポスターを見るだけでは『自分には関係ない』と思ってしまうので、高校や大学で留学経験者の話を聞ける機会があると、一歩を踏み出すきっかけになるように思います」(小林さん)

「純粋な目で世の中を見ることができる若いときにこそ、日本とはまったく異なる環境で、どのような人々がどんなことを考えて生きているかを知ることには大きな価値があります。留学したいのであれば、『欲しいものは全部手にする』という気概を持って努力を尽くしてほしい。留学は、どんな苦労をしてでも行く価値のあるものです」(柴田さん)

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。
安永 美穂 フリーライター

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やすなが みほ / Miho Yasunaga

早稲田大学第一文学部卒業。教育系出版社で情報誌編集に携わった後、2003年にフリーライターとして独立。教育・子育て・キャリア・働き方などのテーマで、20年以上にわたって教育関係者や学生、社会人、企業等への取材・執筆を行う。子どもの成長に合わせて、保育・学童・学習・受験・就職などのテーマでも、保護者目線を活かした取材を続けてきた。その人ならではの「物語」を伝えることにやりがいを感じ、人物インタビューも数多く手がける。趣味は演劇・ミュージカル鑑賞。

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