京急品川駅前「ホテルパシフィック東京」跡地の今 トヨタ「新東京本社」が入る超高層ビル建設中

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ホテルパシフィック東京は地上30階、地下3階。客室数は1000室を誇った。設計は新宿駅西口広場や小田急百貨店などを手掛けたことで知られる坂倉準三氏創設の坂倉建築研究所が担当した。

複数の宴会場やレストラン・バーを備え、当時の京急が社運をかけて建設した高級ホテルだった。俳優の高倉健さんをはじめ、各界の著名人が利用していたことで知られる。セラーバー「エルベンセドール」や、最上階のスカイラウンジ「ブルーパシフィック」も評判を呼んだ。

シナガワグース 最終日
営業最終日のシナガワグース=2021年3月31日(記者撮影)
【写真をもっと見る】閉館直前のシナガワグースから見た品川駅周辺の眺め。解体作業が本格化する前のまっ暗な館内を撮影した貴重な写真も

晩年は「シナガワグース」に

ホテルは2010年9月に設備の老朽化などを理由に営業を終了。翌2011年4月に、その館内施設を活用して宿泊特化型の「京急EXイン品川駅前」(のちに「京急EXホテル品川」)や婚礼会場が入るシナガワグースに生まれ変わった。屋外プールは釣り堀に転用された。

宿泊特化型とはいえホテルパシフィック東京時代の豪華な内装を引き継ぎ、品川駅から国道15号(第一京浜)を渡ってすぐ、という立地のよさも手伝ってビジネス客らに人気だったという。そのシナガワグースも再開発を前に2021年3月末に営業を終了した。

シナガワグースの跡地は京急がトヨタ自動車を共同事業者として、地上29階・地下4階、高さ152mのオフィス(7~22階)やホテル(23~29階)、MICE施設などから成る超高層ビルを建設する。竣工は2029年を予定。オフィスにはトヨタの「新東京本社」も入ることになる。

京急電鉄品川開発推進部の課長補佐、桑原和希さんは「かつてホテルとしてたくさんの人を迎え入れてきた場所を、さまざまな用途でこれまで以上に利用してもらえるようにグレードアップさせていきたい」と強調する。

シナガワグース跡地 工事
シナガワグースの跡地では超高層ビルの建設工事が2025年5月に始まった(記者撮影)
【写真をもっと見る】複数の大規模プロジェクトが同時進行する品川駅周辺の現在
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