コニカミノルタ社長が明かす生存戦略「効率化と収益力で成長する」――紙出力は急激にゼロにならないから「規模を縮小しながら持続させる」

3年間、ひたすら立て直してきた
――今年5月の決算説明会で「構造改革の完遂」を宣言しました。社長就任から3年かかりました。
やり切ったという事実にこそ、意味があった。構造改革は広げたものを閉じる作業であり、数値の大小や結果以上に実行の時間軸を重視してきた。
選択と集中を徹底し、当初の中期経営計画にはなかったグローバルな構造改革にまで踏み込んだ。まずは財務基盤を整えないと、次の成長戦略など始められないと覚悟し、3年間はひたすら立て直すことに注力してきた。
――撤退を決めたプレシジョン・メディシン(精密医療)を、どう総括しますか。
2015年頃から、いずれオフィス印刷出力が減っていくことは明らかだった。その備えとして新しい柱を急いでつくる必要があったが、それだけではない。
ちょうど国策としてもゲノムや個別化医療への機運が高まり、産業革新機構とともに投資に踏み切った。当時は資金的にもキャッシュが潤沢で、無借金に近い状態だった。だから「今動かなければ」という焦りは確かにあっただろう。そうした戦略投資の判断は間違ってはいなかったと思う。
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