中高生の「なりたい職業」不動の1位、《教員は10年連続》人気が衰えぬ意外な背景 夢を持つことを強要する「ドリハラ」には要注意

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東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所では、2015年から10年にわたって「子どもの生活と学びに関する親子調査」を実施している。この調査をもとに発表された、子どもたちのなりたい職業ランキングにおいて、「教員」は中学生・高校生で10年連続1位という結果になった。教員の人気が高い背景には、どのようなことが考えられるのだろうか。小中高の学校段階別や男女別の「なりたい職業」の違い、経年による変化の特徴も含めて、ベネッセ教育総合研究所主任研究員の松本留奈氏に聞いた。

人気職業に変化はないが、IT関連職の順位が上昇

「子どもの生活と学びに関する親子調査 2024」の、子どもたちのなりたい職業ランキングでは、小学4~6年生では「プロスポーツ選手」、中学生は「教員」と「プロスポーツ選手」、高校生は「教員」が1位となった。

*「あなたには、将来なりたい職業(やりたい仕事)はありますか」という質問に「ある」と回答した者に、「あなたが一番なりたい職業 (やりたい仕事)を、具体的に教えてください」とたずねた結果(自由記述)を分類 *自由記述に記入したのは、2015年調査2,561名、2024年調査1,798名(いずれも小4~6)、2015年調査1,957名、2024年調査1,325名(いずれも中学生)、2015年調査1,968名、2024年調査991名(いずれも高校生)
出所:東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所「子どもの生活と学びに関する親子調査2015-24」を基に東洋経済作成

2015年の調査結果と比較すると、小学4~6年生では「YouTuber・VTuber」がランク外から4位に、高校生では「SE・プログラマー」が13位から6位に上昇するといったデジタル社会の進展に伴う変化が見られるものの、「人気職業に大きな変化は見られない」と松本氏は話す。

小学生・中学生・高校生のなりたい職業ランキング 2015年と2024年の違いは?

「調査を開始した2015年は、『10~20年後には日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能になる』とのレポート※1が話題になり、テクノロジーの進化が職業に与える影響についての議論が活発になった時期です。しかし、この10年で子どもたちの身の回りに存在する職業はあまり変わっていません。ランキング上位は、子どもたちの身近にある職業であったこと、先のレポートでもテクノロジーが進化してもなくならない職業とされていたこともあってか、大きな変化は見られなかったと考えられます」

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