「日本は安い」は昔の話?  在日外国人が語る≪値上げ≫に見る日本と母国の違い

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ヨーロッパから来たばかりの移住者は、果物の価格に困惑した。「ブドウの房に1200円払った。間違いだと思いましたよ」。東南アジア出身のある人は、外食を完全にやめたと言う。「ラーメンですら贅沢に感じられるようになった」と。

他方で、一部のサービスや商品には、海外に比べ驚くほど手頃なままのものもある。理髪代、家賃、また観に行く曜日やタイミング次第であるが映画チケットなどだ。

母国での急な値上げよりは対応可能

東京の物価は、最近の値上げにもかかわらず、他のグローバル都市と比べればまだ低い水準にある。最近アメリカを旅行した外国人居住者は、「たしかに日本はインフレ状態にあると感じるが、アメリカではより価格に注意を払う必要があった」と指摘する。「アメリカでは価格が急騰しているが、日本では少なくとも事前に”警告”がある」。

母国での突然の値上げに慣れている外国人居住者にとって、日本のこうした“緩やかな値上げ”は、不思議なほど配慮されているように感じられるようだ。

多くの外国人居住者にとって、日本の物価上昇は戸惑うものの、なんとか管理できる範囲内にあるし、怒りをあらわにする人は多くない。以前より家計管理に慎重になり、必要なものだけを買うようにすることなどで対処している。

バイエ・マクニール 作家

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Baye McNeil

ブルックリン出身の作家・コラムニスト・講演者。2004年に来日し、「The Japan Times」 などで執筆しながら、異文化の交差点で生きる経験や、人種・アイデンティティ・多様性について鋭い視点で発信している。代表作 『Hi! My Name is Loco and I am a Racist』 に続き、最新作『Words by Baye, Art by Miki』 では、日本人の妻と築いた人生をユーモアと洞察に満ちた筆致で綴る。日本社会の枠にとらわれない視点が話題を呼び、講演やワークショップも多数開催。ジャズ、映画、ラーメンをこよなく愛する。

ウェブサイト:Baye McNeil/life in Japan

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