広汽集団は2024年10月、傘下の自社ブランドの一体運営を軸にした一連の経営改革に着手し、業績改善を目指してきた。だが今回の業績予想の開示にあたり、同社は「改革の成果が出るまでには時間がかかる」と率直に認めた。

中国の自動車市場では、メーカー間の激しい価格競争が2023年初めから2年以上にわたって続いている。自動車販売の業界団体である乗用車市場信息聯席会のデータによれば、2025年上半期にメーカー希望価格を引き下げた車種の平均引き下げ額は2万1000元(約43万円)、引き下げ率は11.4%に上った。そんな苛酷な市場環境下で、広汽集団が業績を立て直すのは容易なことではない。
過当競争に終わり見えず
中国政府は自動車業界の行き過ぎた価格競争を問題視し、是正を図ろうとしている。自動車産業を所管する工業情報化省は2025年5月末、無秩序な価格競争が企業の利益を圧迫し、業界の発展を阻害していると批判した。

だが、政府の指導により過当競争に終止符を打てるかは不透明だ。6月26日には、国有中堅メーカーの奇瑞汽車(チェリー)と通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が共同運営する「智界(ルクシード)」ブランドが、全車種の2万元(約41万円)値下げを発表した。
その翌日には、民営中堅メーカーの長城汽車が新型EV「欧拉好猫(ORA03)」を期間限定で4000元(約8万2000円)値引きすると発表。その他のメーカーも、自動車保険料の補助など間接的な値下げによる販促活動を続けている。
(財新記者:翟少輝)
※原文の配信は7月12日
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