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訪日客は過去最高、それでも百貨店が苦戦を強いられる理由とは? 高島屋は業績見通しを下方修正、三越伊勢丹はアプリで海外優良顧客を囲い込み

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円安になれば、訪日客にとって自国通貨で買い物をするよりも、日本に訪れて円で購入する方が割安な状況となり、百貨店では特に高級ブランドや宝飾などの高額品が飛ぶように売れた。

昨年前半にはブランド品の値上げ前の駆け込み需要もあり、2024年5月の1カ月間には718億円の免税品売上高を記録。前の年の同じ月と比べて約2.3倍の増加となるなど、異様な盛り上がりを見せた。

日本最大の売上高を誇る伊勢丹新宿店でも、インバウンド消費が減速。2025年4~6月までの総額売上高(速報値)は前年同期比で5.5%減少となった(記者撮影)

状況が一変したのは2025年2月ごろからだ。為替が円高基調に転じると、日本円で高額品を購入する際の割安感が薄れた。ブランド品の値上げ前の駆け込み購入の反動もあり、免税品の売り上げは徐々に減少し始めた。

伊勢丹新宿店の免税サービス担当者は「昨年ほど高額品の販売に勢いはなく、代わりに日本メーカーの化粧品や旅行中に使用する日用品、土産物などの一般消耗品がよく売れるようになっている」と話し、消費の内容に変化が生じているという。

高島屋は業績見通しを下方修正

訪日客消費の減速は、すでに大手百貨店の業績に影響が出始めている。

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