日本の報道の中では、ひとつの推論として白浜町の大江康弘町長が親台湾政策を掲げたことがパンダ没収を招いたとするものがあった。2024年5月に着任した大江町長は、2025年1月に台湾政府から「外交の友 貢献賞」を授与された。パンダ引き揚げ報道直後の4月26日には白浜町内のホテルでその祝賀会があった。
さらに南紀白浜空港では2025年5月、台湾の桃園国際空港との間でチャーター便が運航された。これは和歌山県と日本航空(JAL)が3月に包括連携協定を締結したのを記念したもので、日本からは台湾へ75人、台湾からは日本へ107人の観光客が来訪したと報じられている。
大江町長はパンダ帰国発表後のメディアの取材に対し「(台湾による)叙勲のパーティーの挨拶で、『私が台湾ばかりやるものだから、パンダを引き上げられました』と冗談で言ったら、会場は大いに沸きました」と述べ、自身の政治信念をアピールした。これは中国側にとって決して愉快な事態ではないだろう。
台湾問題は中国の行政組織にとってリスク
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