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【ルポ】同姓強制社会が夫婦に強いる過酷な現実…40代と70代の男性を苦しめた「家族の抵抗」、50代女性が事実婚にこだわる「嫁の役割」

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父親は戸主としてイエの責任を果たしてきた。先祖から引き継いだ土地を苦労しながら守り続け、娘や孫の面倒も見ている。

ケンイチさん自身は、妻とは対等なパートナーだと考えている。明治時代に始まった夫婦同姓制度に歴史的な基礎があるとも思えない。それでも、心配する父を説得して自分が改姓する決断はできなかった。スムーズに結婚を進めるため、妻が改姓した。

「婚姻届を提出した日、妻がショックを受けている様子だったことを今でも覚えています。入籍日は2人にとって喜ばしい日ではありませんでした」

妻はその後しばらく不安定な状態だったという。改姓に対する妻の葛藤について、自分の両親には伝えられていない。「改姓させた側として、妻の両親のケアには一層気をつけないといけないと思っています」。

両親に泣きつかれた

「改姓したが、親と養子縁組をして元の姓に戻った」(70代男性)

実際に男性側が改姓して、周囲から強い反対を受けたのは、首都圏のNPO法人で働くヨシダマサトさん(70代男性)だ。

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