
日本人は雑談が苦手?
私が見る限り、日本人は雑談に対して苦手意識を持っている人が多いようだ。
その理由の1つは、「雑談はその日のメインテーマに入る前の軽いあいさつにすぎない」というイメージを持っていることだろう。下手なことを話すと相手の機嫌を損ねるおそれがある。軽いあいさつなのだから、無難な話題にしたほうがよいと考えるわけだ。
日本独特のハイコンテクスト社会の影響もあるだろう。欧米は人種や文化、価値観がバラバラなローコンテクスト社会なので、お互いを理解するために、言葉でストレートに情報交換をする必要がある。だから雑談にも積極的だ。それに対し、日本は民族の多様性に乏しく、価値観や慣習が似通っているため、言葉を交わさずにお互いの気持ちを察することがよしとされる傾向がある。だからビジネス上での雑談に消極的になるし、雑談に慣れていない。
日本のビジネスパーソンの雑談に「今日も暑いですね」「朝晩冷え込むようになりましたね」といった天気の話題が多いのはそうした背景があるからだろう。しかし、天気の話から相手の価値観がわかるような話に発展させるのは難しい。ビジネスの成果につなげるなら、苦手意識を捨てて、意味のある雑談をすることが重要だ。
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