加熱式たばこ「アイコス」の攻勢でJTの国内シェアは低迷! 黒字定着の医薬事業からも撤退、たばこに経営資源を集中し巻き返しを図れるか
その結果、国内におけるJTの立ち位置に変化が起きている。イギリスの調査会社・ユーロモニターで日本のたばこ業界を担当する針谷望コンサルタントは「2014年の国内たばこ市場(紙巻き・加熱式たばこ、小売販売本数ベース)において、JTのシェアは60%、アメリカのフィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)は同26%だったのに対し、2024年の両社のシェアは拮抗している」と説明する。

実際、個社ごとにそれぞれ調査した数字とはなるが、2024年のシェアはJTが41.2%に対し、PMIが同41.3%。単純比較をするのは難しいが、両社の差が縮まっているのは間違いなさそうだ。背景にあるのは、加熱式たばこでJTが存在感を発揮できていない実態がある。
「加熱式=アイコス」のイメージが定着
日本で本格的に加熱式が販売され始めたのは、2014年のこと。PMIが「IQOS(アイコス)」を発売すると、消費者から瞬く間に受け入れられ、2024年末の国内ユーザーは950万人を突破した。
対するJTは、2016年に「Ploom TECH(プルーム・テック)」で加熱式市場へ本格参入すると、2023年の「Ploom X Advanced(プルーム・エックス アドバンスド)」に至るまで、数年ごとに新しいモデルを投入してきた。
後発ではあったものの、JTの寺畠正道社長は、2018年の社長就任当初、「2020年末までに国内の加熱式市場でシェア4割を目指す」と意気込んでいた。
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