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JTの加熱式たばこ、世界でガチンコ勝負の成否 「打倒アイコス」へ社運を懸けた長期計画の狙い

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JTの加熱式たばこ「プルーム」は、グローバル展開を狙う一大プロジェクト。コンセプト作りやデザイン、マーケティングなど、すべてが紙たばこと勝手が異なる中でどう発売へこぎ着けたのか。「競合を超えた」と言い切る開発のキーマンが語る、発売までの試行錯誤。

やまぐち・あきら 2000年JT入社、「マイルドセブン」から「メビウス」へのブランド刷新などを担当。2013年からJTインターナショナル本社に所属し、マーケティング、商品企画などを担当。2019年から「PloomX」の開発に携わっている(撮影:尾形文繁)
紙巻きたばこでは国内シェア6割と圧倒的なJTが、加熱式たばこでは劣勢に立たされている。アメリカのフィリップ・モリス・インターナショナルの「IQOS(アイコス)」が先行し、JTの国内シェアは10%にとどまる。世界市場に目を向けると、状況はさらに厳しい。
加熱式たばこは、これからの成長が期待されている。JTは社運を賭けて、加熱式たばこ「PloomX(プルーム・エックス)」のグローバル展開を進める。2023年から積極的なマーケティング投資を行い、欧州で販売エリアを着々と開拓。2024年までに28カ国・地域へ投入していく計画だ。
世界たばこシェア3位のJTだが、ここまでの道のりは苦労の連続だった。王者アイコスに追いつき、シェアを獲得するためにどう試行錯誤してきたのか。デバイスやマーケティングを担当する、商品企画部RRP担当部長の山口顕氏に開発の舞台裏とマーケティング戦略を聞いた。

アイコスからの乗り換えはハードルが高い

――競合が加熱式で進出している国・地域を狙い、あえて後発としてJTが新モデルを投入する戦略を進めています。

日本やイタリアは加熱式の成熟市場。アイコスが先行しているので、アイコスのユーザーをいかに獲得するかが重要になる。後発なので、デバイスは競合より安い価格で販売している。

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