価格政策への影響も懸念される。自動車メーカーが関税影響を受け、部材のコストアップも含めた採算悪化リスクを抱える中、価格交渉にどこまで応じてもらえるか。
AGCが高付加価値品の比重を高めて交渉力をつけ、状況に応じた値上げを求めるようになったのは、つい最近のことだ。自動車向け製品は「(納め始めた当初から)値段が下がっていくのが慣例」(平井良典社長)だった。値上げが当たり前とまではなっていない。
電子事業のコア製品である液晶ディスプレー用ガラス基板も、関税の影響が不安視される。スマートフォンやパソコンにも使用されているが、使われる液晶1枚の面積が圧倒的に大きいテレビ向けが主力となっている。

中国発のテレビ輸出動向にも左右
テレビ本体や液晶パネルの主要な生産地の一つが中国。地産地消を基本に中国で製造するAGCの液晶ディスプレー用ガラス基板は、現地の液晶パネルメーカーに納められる。「(液晶パネルは)すでに中国が世界最大の市場となっており、弊社でも中国生産の比率は高い」(AGC広報)。
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